そもそも発生する原因は?
介護現場において発生するクレームの原因はどこにあるのかを探っていきましょう。よく発生するクレームの原因や、クレームが発生する仕組みについて詳しく紹介していきます。
クレームの主な原因
まず、介護現場で発生する主なクレームとして挙げられるのが、サービス内容の説明不足から来るものです。こちらが不足なく説明したつもりでも、相手に伝わっていなければ意味がありません。十分に内容が伝わっていなかったことで「サービスの内容がわからない」「利用料金の変更について理解できない」といったクレームに発展します。口頭だけだと伝わりづらい内容については図やイラストを用いて説明するなどの工夫が必要になります。
また、介護を行う上での注意点や利用者の要望などの情報共有が不足している場合もクレームにつながります。「この利用者は歩行時に付き添いが必要だ」という情報が内部で共有されていないと、一人で歩こうとした利用者が転倒した場合にクレームに発展します。こういった情報の共有や記録が抜けていると大きな事故につながる可能性があります。利用者の要望については、例えばリハビリを重点的に行いたい利用者がいたとして、実際には運動をする時間が全然なかったとなると、期待していたサービスが受けられなかったためにクレームへつながります。事前に内容について同意したつもりでも、利用者の要望を誤って解釈している可能性があります。
不満が爆発してクレームになる
クレームは、サービス内容が利用者の期待を下回ったときにそれが不満となり、さらに期待を裏切ったときに発生します。このように段階的にクレームへと発展していくため、いきなり発生するというものではないのです。キャパシティは人によって違いますが、不満が募り続けた結果それが溢れ出る形でクレームが発生します。ある調査によると、サービスを提供された3割以上の方はなにかしらの不満を抱き、その中の数パーセントがクレームとして不満を表面化させると言われています。そのため、多くの「クレーム予備軍」がいることを忘れてはいけません。
クレームは「不満足要因」が重なることで発生します。主な不満足要因としては、「こちらの事情をくみ取ってくれない」「事務的に扱われた」「納得できる説明がなかった」といったものが挙げられます。そのほかにも、最初はクレームまでいかなくともちょっとした注意のつもりだったが、言い訳や弁解が多いことに不満が募りクレームに発展するケースや、利用者やご家族の発言に間違いがあると指摘したことによってクレームに発展するケースなどがあります。